サルビアの花

「もとまろ」というミュージシャンがヒットさせた「サルビアの花」という曲がある。

昔から、邦楽の中では一番好きな曲で、何十年経ってもそれは変わることがない。


失恋した男の心をとても美しいメロディーで歌った名曲中の名曲である。
それが証拠に、当時、もとまろだけでなくたくさんのミュージシャンにカバーされていた。同時に複数のミュージシャンが同じ曲を出すことはたまにあるが、この曲はそんな中でもカバーしたミュージシャンの多さでは群を抜いていたという記憶がある。
(どんなミュージシャンがカバーしてたかは、ここを参照→http://tisen.cocolog-nifty.com/blog/2006/06/post_fbcf.html


しかしながら、当時から色々と疑問に思うことがあった。

(1) なぜ、カバーした中では最も無名だと思われるもとまろのバージョンが一番ヒットしたのか?
(2) なぜ、あれだけヒットしたのにテレビで見かけた記憶がまったくないのか?
(3) そも、もとまろってどんなミュージシャン?この曲のあとはどうなったの?
(4) なんでこんなにみんなで競演したの?


それでも、その曲のあまりの美しさと歌詞のあまりの悲しさに、そんな疑問は頭の隅に押しやってずーっと好きであり続けた曲だった。
レコードもテープも無いからラジオで聴いただけなのに、歌詞もメロディーも頭に入ってて何度も口ずさんだし、カラオケってものがこの世に登場してからは(ワシが子供の頃はそんなものなかった(^^;;;;;)、よく歌ったものだった。


15年ぐらい前になるが、宮崎県出身なワシにとって唯一同じ関東にすんでいる叔父さんが鎌倉にいて、その奥さんがとてもいい人でとても好きだったんだけれども(Loveという意味じゃないから勘違いしないように(笑))、残念なことにリンパ癌でわずか47歳で亡くなってしまった。
そのお葬式に宮崎の田舎からワシの母親や伯父さん伯母さんが出てくるというので、羽田空港まで喪主である叔父さんの車を借りて迎えに行ったんだけど、そのとき、ただでさえ悲しいのにカーラジオからもとまろのこの曲が流れてきて、文字通り「ぼろ泣き」になりながら車を運転した・・・ということもあった。
(注:ワシは映画とか見てもすぐ泣きます(^^;;;;;)




しかし、10年ほど前だろうか、口ずさみながら歌詞を考えてたら奇妙なことに気づいた。

元々恋人だった人が他の男と結婚するという悲しい曲のはずなのに、歌詞の中には一方的な思いが綴られているだけなのだ。

歌詞はここにあるので、知らない人は読んでみてください。
http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=36506


まず、相手の女性が彼をどう思っているかが全く出て来ない。恋人同士だった頃の記憶に相当する情景描写も全くない。
一方的に「ボク」の思いが綴られているだけなのだ。


・・・これはもしかすると、元々恋人だったんじゃなくて、いわゆる「ストーカー」ってやつじゃないのか???

そう考えると、すんなり納まってしまう歌詞なのだ。



すでにこの曲がヒットしてから40年近く経ったので、この曲を知ってる人は本当に少なくなった。
だから、それからカラオケで歌うときには、「これね~、ストーカーの歌なんだよ~」って言いながらおもしろがってネタにしていた。



でも、この曲は好きであり続けてたから、そんなことを何度かやってたら、本当にそうなのか気になってしょうがなくなってきたのでネットで調べてみたら簡単に解答が見つかった。
インターネットの力は本当にスゴいね。

それは朝日新聞のコラムだった。
http://www.asahi.com/shopping/tabibito/TKY201010210276.html


このコラムによると、オリジナルは早川義夫という名前のジャックスというバンドにいた人で、ジャックス解散後のソロアルバムに収められていた曲ということだ。
早川義夫という名前は知らなかったが、ジャックスというのは7~8年ほど前に入手した昔のフォーク系の曲を集めたオムにパスCDで聴いて知っていた。
「からっぽの世界」という物凄く暗い歌を歌っていたので印象に残ってたのだった。


それで、もとまろは基本的には素人で、フォークの勝ち抜き歌合戦に出演した際にカバーしたのがこの曲の多数のカバーの最初だったとのことだ。

それがラジオでかけられて人気になり、ついにはシングルレコード化されたとのこと。
つまり、オリジナルを含めて最初にシングルになったのがもとまろのバージョンだったのだ。
しかし、この1曲だけでやめた(正確に言うと、元々この曲しか出すつもりがなかった)ので、その後はもとまろの名前を全く聞かなくなったのだった。


早川義夫のことも調べたら、こっちは自身のサイトがあって、当時のことも含めて書いてあった(「コラム」参照)。
http://www15.ocn.ne.jp/~h440/


なんと、一旦音楽活動をやめて本屋さんをやってたとのこと。でも、そのままでは終われなくなって24年ぶりに音楽活動を再開して今に至っているということだ。

上の朝日新聞のコラムとこの自身のコラムを読んだら涙が出て来た。
相当にしんどい思いがあったんだろうと想像できたからだ。


それと、作詞者が意図したのは、やっぱり「ボク」の一方的な思いだったということ。しかしながら、「恋人が別な相手のもとへ去った」というのは合点がいかない。
歌詞的には、ストーカー行為はしてないものの、どう読んでも一方的に好きだった男が一方的に自分の思いを吐き出して結婚式の場にまで押しかけていったようにしかとれないからだ。

しかし、そうだったとしても、もはやこの歌詞はワシには笑えなかった。いや、むしろそうであるからこそ笑えなくなった。
若い頃の自分がそうだったし、作詞者の相沢靖子さんも語ってるように、好きになってしまった人に対しては「自分の方がやさしくしてやれるのに」とか考えてしまうものだから。
彼が失恋したことは間違いなのだから、やっぱりこの曲は悲しい恋の曲なのだ。



そうしたら、オリジナルの早川義夫はこの曲をどう歌っているのか聴きたくなってYoutubeを探ってみた。

オリジナルのアルバム版もあったんだけど、その前に音楽活動再開後のライブ映像があったのでそれを見てみた。
http://www.youtube.com/watch?v=I9I_1ZbtqYs




・・・・涙が止まらなかった。

「ボク」の怨念に近いような情念が物凄く伝わってきて、とても悲しくて悲しくて。



そして、彼のこれと同じようであろうライブを見た元もとまろのメンバーの一人が「頭をガーンと殴られたような衝撃を受けました。女子高生がうたうような曲ではなかった」と感じた気持ちも痛いようにわかった。

そしたら、また泣けてしまった(^^;;;;;



やはりこの曲は素晴らしい曲だったんだと改めて認識した。

そして、絶対、近いうちに自分なりの情念を込めて人前で歌ってみたいと思ったのだった・・・

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この記事へのコメント

kohsan
2011年03月31日 22:12
早川義夫のバージョンを昔FMヤング・ジョッキーで聴いた。何かジャックス特集の時だった。聞き覚えがあったので、多分もとまろバージョンをそれまでに聴いた事があったのだろう。
確かに、良い曲だ。ジャックスというバンドがそもそもマイナーだったので、ヒットしなかったのではないか?この曲は分かりやすくなじみやすいが、他の曲は好きな人しか分からないようなイメージがある。

http://www.facebook.com/posted.php?ref=bookmarks&count=0#!/?sk=nf
いぶくろう
2011年04月21日 01:05
おやおや?Mくんだよね?(違ってたらごめんなさい)

レス遅くなってすんませんm(_'_)m
ジャックスは、一般ウケはしないような曲をやってたから、好きになったらスゴイ好きになるけど、ほとんどの人は好きにならない、ってミュージシャンだったと思う。
しかし、最後期はつのだ☆ひろが参加してたとは、早川義夫さんのサイトで見るまで知らなかったよ。
いぶくろう
2011年12月07日 22:48
あ、顛末書いてなかった。

8月6日にライブやって歌いました。
かなり思い通りに歌えて、ウケも悪くなかったです。

12月21日にまた歌います。さらに、気持ちが込めて歌えれればいいのだけど・・・
いぶくろう
2011年12月30日 00:21
12月21日に「いぶでんこ」の2回目のライブをやって、再び歌いました。
今度は、オープニングに持って来ました。

自分でも、前回よりさらに良い感じで歌えたなぁと思っていたら、あとからお客さんとして来てくれていた人の一人から「サルビアの花は感動した」という言葉をいただきました。
とても嬉しくて、さらにこの曲が好きになりました。

この先も歌っていきたいと思います。

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